2012年5月31日木曜日

かがり火 129号


 <新たな多数派の思想の形成をめざす100人委員会>
先ごろロンドンで開催された世界20カ国・地域(G20)の金融サミットでは、各国が協調して2010年末までに計5兆ドル(約500兆円)の財政出動をすることが決められた。500兆円・・・目まいがするほどの多大な金額だが、これで世界同時不況は克服されるのだろうか。
国内でも定額給付金が支給され始め、高速道路料金が大幅に値下げになった。政府は景気浮揚のために、いろいろな策を講じて大盤振る舞いをしている。景気を良くしてくれるのはありがたいが、ちょっと心配にもなる。

 ここまで巨額のお金をつぎ込んで、日本の景気は回復するのだろうか。ある程度は良くなるかもしれない、しかし、これで根本的な解決になるとは誰も思っていないだろう。国民は経済学者ではないから、金融や経済の仕組みに通暁しているわけではないけれど、経済が際限もなく拡大再生産を続けていくのはそろそろ無理なのではないかと、うすうす感じているようだ。何十年か後には今よりももっと深刻な恐慌が到来する不安も感じている。
 今年の2月、群馬県上野村に暮らす哲学者で、本誌編集委員の内山節さんからメールが届いた。
「ご無沙汰しております。内山節です。現在『新たな多数派の思想の形成をめざす100人委員会』という新しい集まりをもとうと考え、この3月1日に最初の会合を計画しております。昨 年夏に上野村で『新たな多数派の形成をめざす上野村シンポジウム』を開催しましたが、添付いたしました『趣意書』のように、新しい時代を創る思想をつくりだそう、というような会です。世界が行き詰まりをみせるなか、少し元気に動きたいと思っています。お時間がありましたらご参加いただければ幸いです」というものであった。
 昨年の夏開催された群馬県上野村のシンポジウムについては、本誌126号で報告したが、あの時点ではまだ恐慌は起きていなかった。あの後にリーマン・ブラザーズが破綻し、株価が下落し、自動車メーカーの極度の販売不振を手始めに、あらゆる製造業の生産が減少し、消費が鈍り、失業者が続出した。
内山さんの趣意書は、左記のようなものだった。
「『これまでの延長線上に未来はな� ��』。いま私たちはこんな時代を迎えているような気がします。現代世界は自然と人間の等身大の世界にこそ大事なものがあるのだということを忘れてきました。すべてが商品化され、ついには貨幣が駆けめぐりながら貨幣を増殖していくなかに経済が展開する時代が生まれました。私たちはその破綻から何を導き出したらよいのでしょうか。
等身大の世界に戻る。等身大の世界をつなぐ。そのことによって生命の活動が感じられる世界をつくりなおす。私たちはこのことから出発し直さなければならないような気がします。自然の力、人々の労働の力、地域の力、そしてそれらが結びあうとき生まれる力。ここにこそ私たちの社会がつくられていると実感できる等身大の世界を創ることが、私たちの課題になっているのです。
とす� ��と、どうすればよいのか。『新たな多数派の思想の形成をめざす100人委員会』はこの課題に向かって歩む人々の場でありたいと思っています。活動の場は、参加された人々のそれぞれの時空です。『100人委員会』はいわゆる組織をめざしてはいません。それぞれの時空で活動し、その成果を持ち合い、学び合い、再びそれぞれの時空で活動する。そんな結びあう場でありたいと思っています。
100人を超えたら『200人委員会』に。200人を超えたら『300人委員会』へ。そうやってシステムに振り回されない世界を広げていくことが、私たちの目標です。誰でも参加でき、『組織』に対する義務も権利も発生しない。もしも義務や権利が生まれるとするなら、それはそれぞれの人々が活動する時空においてだけ。私たちはそんな『委員会』を 創りたいと思います」
 3月1日、会場となった東京・中央区の「銀座会議室三丁目」には、100人を超える人たちが集まった。
 内山節さんが「100委員会」を発足させた真意は、『怯えの時代』(新潮選書)に詳しいが、われわれはこの平成の大恐慌の時代をどう生きたらいいのか、内山さんに語ってもらった。

 田舎でも牧歌的な暮らしができなくなった
――「100人委員会」には、北は北海道から南は長崎県の五島列島まで、100人を超える人が参加していました。農林漁業、企業経営者、会社員、公務員、ジャーナリスト、NPOスタッフ、映画監督、陶芸家、フリーライターなど多種多様な職業の方がいました。一人1分しか発言する時間がなかったにもかかわらず、参加者の方々は、このままでは将来に希望の持てる社会は築けない、何とかしなければという思いを表明していました。お金に翻弄される社会を変革し、もっと自由に伸び伸びと暮らしたいという熱い思いであふれていました。先生ご自身で呼び掛けて、この集まりを企画した理由は何だったのでしょうか。
内山 上野村で暮らしていれば、世� �がどうなろうとも知ったことじゃないという気分でいられるわけです。村人たちがそこそこに生きていけて、僕のほうは、春になれば葉を伸ばしてくる木々を見て、川に行って釣りをしていればいい。あとは楽しく村の人たちと交わりながら、生きていけばいいと思っていました。いろいろ問題があっても、まあまあやっていけるのなら、それでいいと思っていたのですが、ところが小泉改革以降、まあまあやっていけなくなってしまった。
  最近は、村にいても世界を見ていなければ、牧歌的に生きることができなくなったということです。経済の変化が村にも影響を与えるということは昔からありました。上野村であれば、主要産業の生糸とか、和紙だとか、コンニャクだとか、次々に駄目になっていったわけですが、これはグローバルな経済の変化の中で衰退していったわけで、村の人たちが怠惰になったから駄目になったとか、そういう話ではないわけです。だから、前からあったのだけれど、そういう変化がここに来て激しく出てきて、村人はこのまま村に住み続けられるのかという不安を感じるところまできてしまった。
多くの日本人は、株なんか一株も持っていないし、外貨預金もしていない。だから、その人たちからすれば、為替が変動しようが、� �が上がろうが下がろうが、関係ないはずです。ところが、一株も持っていない人たちが、いちばん影響を受けてしまう。それが巡り巡って、派遣切りみたいな問題が生じてしまう。単に経済が破綻したというだけの話だったら、僕は経済にそれほどの関心は持てなかったと思うのですが、金融や経済の世界とは本来何の関係もない普通の生き方をしていた人たちが、激しくダメージを受けている。そうなると、この問題と真正面から向き合わざるを得ないという気持ちになりました。

――昨年の夏、「上野村シンポジウム」の時はまだ金融破綻は起きていなかったのですが、あの時すでに参加者の人たちは、このままではやっていけない、何かが間違っている、根本的に考え直さなければいけないと考えていたと思います。
内山 あの集まりは、苦しい思いをしている人たちだけが集まって愚痴に毛の生えたような話をするのではなく、もうちょっと構造的に何かを始めている人たちと話し合ってみたいということがありました。いろいろと新しい取り組みをしている人たちの中には、将来の可能性を示唆しているような例もあると思います。いろいろな試みの中には失敗だったという話も出てくると思いますが、それは、それでいいわけです。人間のやることは百発百中なんてないわけだから。た だ、いろいろなものが出てくることによって、いろいろなやり方が見えてくる。基本的には、新しい土台が少しできてきたかなという感じがあるので、そういう人たちと一緒にネットワークを組んでみようか、と考えたわけです。

2012年5月20日日曜日

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2012年5月17日木曜日

岐阜県 : 食べ物による窒息事故を防ぐ


岐阜県 : 食べ物による窒息事故を防ぐ

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2012年5月14日月曜日

「認知症の人の痛みに気づく」ワークショップ - Ashley事件から生命倫理を考える - Yahoo!ブログ


プレゼン内容1 「痛みはない」という神話について

なぜ認知症の人の痛みは理解されないのか?

・ メディアが情報を流さない。
テレビでも新聞・雑誌でも高齢者が痛みに苦しむ姿に接することが少ない。

・ 言葉を話せない人は理解されにくい。

・ 痛みは加齢につきもので「つきあっていく」しかないと社会が受け止めている。

・ 認知症と診断されると、認知症にばかり目を奪われて、それ以外の問題が意識から漏れる。
また痛みは、高血圧などのように可視化できないので把握されにくい。

・ 行為には解釈が必要で、
言葉を持たない誰かの行為を正しく解釈することは、
その人と長く一緒にいる人でなければ困難。
その人を知らなければ� ��っているサインを誤解してしまう。

・ 身体をゆするとか、激しく何かを叩くといった行為の多くは
論理的に痛みとつなげて考えられることがない。

プレゼン内容2 なぜ認知症の人に痛みがあるのか?

認知症の人の痛みには身体的な要因か心理的な要因、またはその両方による場合がある。

2012年5月10日木曜日

「運動器不安定症」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる


「運動器不安定症」

「運動器不安定症とロコモ」

運動器不安定症(Musculoskeletal Ambulation Disability Symptom Complex:MADS)は、高齢者で、歩行・移動能力の低下のために転倒しやすい、あるいは閉じこもりとなり、日常生活での障害を伴う疾患をいいます。

この診断には一定の基準があります。重症化を防ぐために、正しい診断と運動器リハビリテーションなどの介入が大切です。

運動器障害は徐々に気付かれないまま進行します。
日本整形外科学会では、人びとに自分でその障害に気づいてもらえるよう、ロコモ(Locomotive Syndrome、運動器症候群)と呼ぶ新しい概念を提唱しています。
ロコモは運動器の障害による要介護の状態および、要介護リスクの高い状態を言います。

「運動器不安定症の定義と診断基準」

日本整形外科学会、日本運動器リハビリテーション学会、日本臨床整形外科学会が協議し2006年4月に定義・診断基準を公表しました。

2012年5月7日月曜日

黄熱 - goo ヘルスケア


黄熱とはどんな感染症か

 黄熱はフラビウイルス属の黄熱ウイルスによる感染症で、サハラ以南のアフリカ諸国、中南米で流行しています。黄熱の流行地を図6に示します。黄熱ウイルスの宿主はヒトとサルで、ヒトはウイルスに感染しているネッタイシマカに刺されて感染し、黄熱を発症します。

2012年5月4日金曜日

もっと健康な肉を食べたい|食のおはなし|こどもたちのために|トータス株式会社


マナメッセ3号(1992年7月1日発行)より抜粋

クスリ漬けの豚
超過密に飼われているヒステリックな鶏
ホルモン剤で性別不明になった牛

私たちの食べている肉は病んでいる

「マナメッセ」創刊号では食品添加物の怖さを特集しました。それなら添加物の少ないものを、そざいを手作りして食卓へ......。とは誰でも考えることですが、すでに汚染されているという残念な報告を、この号ではしなければならないのです。

レポート/工藤和子
撮影/外川孝 奥谷仁 永嶋康利

薬づけ・過密飼いの不健康な肉を食べて私たちの体は大丈夫なのでしょうか?

小暮一雄獣医師が明かす恐るべき日本の肉事情

豚は病気になりやすいといいますが、その肉はどう扱われているのでしょう。鶏肉も牛肉も薬やホルモン剤の残留はちゃんとチェックされているのでしょうか。日本の畜産の現状について確かなデータに基づく話を小暮医師に聞きました。

小暮一雄医学博士、42歳。日本獣医畜産大学卒。現在所沢愛犬病院医院長。楽品メーカーおよび畜産業界に関連した仕事で生計をたてるために実態を告発しにくい獣医師たちの中で「食」の安全性を憂え、意欲的にその改善を目指す貴重な存在。

屠殺する豚の約7割が病気豚"一部廃棄"の肉も市場に出る

− 畜産の実態は、部外者がいくら現場取材してもよく分かりません。厚生省の食品衛生法では、抗生物質や合成抗菌剤は残留してはならないことになっていて(ホルモン剤は基準値なし)、屠殺場では病気のものは、ハネられているのだから市場で売られている肉は安心ですと、どこもガードが固いんです。私たちが食べている肉類は本当に安全なのでしょうか。

小暮 そこが問題です。屠殺場で病気豚を見つける検査官は獣医師などの資格を持つもので、検査は一体ずつ固体検査が行われ、注射跡があるものは抗生物質検査をします。また特定の伝染病などにかかっているものは全廃棄のほか7割弱部分廃棄のものが出る。それらの総数が約7割以上。部分廃棄される患部以外の肉は市場へ出ます。(DATA1参照)


DATA1 病気の豚が、なぜこんなに多いのか?

屠殺場で全部捨てられる豚と、患部の一部だけ捨てられる病気豚の数は、なんと7割にものぼる!こんなに病気豚が多いのは過密飼いの悪条件からか。薬もいっぱい使われているはずだ...。(平成2年「家畜衛生統計」より抜粋)

屠場で廃棄される病気豚

禁止〜人間に伝染する恐れのある病気を持った豚は屠殺禁止となる。

− それらは当然薬が使われているはずですよね。肉に残留していないのですか。

小暮 ところがそれを検査するのは屠殺場法による検査官ではなく、食品衛生法による監視員の抜き取り検査なんです。東京都の場合は屠場で両方の資格を持つ者がやっているのですが、他県では別です。跡でその実態については詳しく触れますが...、お粗末なものです。

− 全廃棄されるのや、部分廃棄のものなど、いったい豚にはどんな病気が多いのですか?

小暮 全廃棄されるのは、肺炎、肺結核、豚赤痢、敗血症、脳炎、鼻そ、脳毒症、豚パラチフス、豚コレラ、尿毒症、伝染性胃腸炎、オーエスキー病などが感染症ですが、部分廃棄はその法規程8条によると、化膿性又はえそ性皮膚炎のある部分、外傷の部分、腱又は臓器の炎症のあるもの、著しい畸形の部分、炎性により汚染した部分、腫痕の部分−(略)臓器の萎縮した部分、結核にかかりその病的変状が臓器およびリンパ節に局限しているときなど、なっています。

− 胃かいようや、結核にかかっていても、その患部と隣接したところだけ捨てるのですね。やはり気持ち悪いですね。

小暮 それよりまず、日本の畜産でどれほど多くの薬が使われているか、知ってもらいたいと思います。(DATA2参照)

DATA2 動物用のクスリは獣医でなくても勝手に使える

獣医用の薬は、薬事法で獣医の処方箋のもとで購入、使わなければならないが、現状では、抗生物質その他の薬品メーカーから、はんこ1つで養豚家に売られ、乱用されている。

動物用医薬品(医薬部外品)販売高

豚コレラやオーエスキー病予防のために使われる生ワクチン。

− 獣医師用は17億円程度なのに、その他のトータルが805億円にもなってますが(平成2年)、その意味は?

小暮 病気豚の多くは日和見感染症といって、過密飼いのストレスから体力が弱くなったり菌が入りやすい状態になって病気にかかるんです。この薬の量の大半はその病気予防のために、事前に投与されるものが多い。抗生物質などは人間と同じ薬事法により獣医の処方箋がなければ買えないことになっているんですが、これが野放しの状態で出回っているのが現状です。

獣医の処方箋はかたちだけ 抗生物質使用は野放し

小暮 獣医師の処方箋とはかたちだけで、薬品メーカーのところには獣医師のはんこが用意されていたり、診察もしないで獣医師から指示書が発行されるケースなどが、かなりある。その実態"動物用医薬品等に関する行政監察局の調査報告書"に、非常に具体的に出ています。養豚農家にはどこも注射器があって、自分で勝手に抗生物質など打ってまして、1tも抗生物質を購入した畜産家のケースも知ってます。

− 抗生物質は、使いすぎると怖いそうですが。

2012年5月3日木曜日

内科開業医のお勉強日記 : アナフィラキシーショックは予見可能 By “さいたま検察審査会”


アナフィラキシーショックは予見可能だそうですから・・・これから造影剤や抗生剤、麻酔薬のショック予見に関しては"さいたま検察審査会"に問い合わせして、判断していただきましょう。>全国の医師・歯科医師
<歯科女児麻酔死>医師不起訴は不当 さいたま検察審査会

 虫歯治療中の4歳女児を死亡させたとして、業務上過失致死容疑で送検された埼玉県深谷市の男性歯科医が不起訴となったことについて、さいたま検察審査会が不起訴不当の議決をしていたことが分かった。
 議決書(4日付)などによると、02年6月15日、深谷市の会社員、木部寿雄さん(40)の長女遙加ちゃんは、同市の歯科医院で治療中、局所麻酔により重篤なアレルギー症状「アナフィラキシーショック」を起こし、同夜に死亡した。県警は05年1月、歯科医師を書類送検したが、さいたま地検は同年7月、嫌疑不十分で不起訴とした。
 議決はショック症状について「予見可能」とした。また、「現在の開業医の歯科医の(設備、技術)水準では、救命可能性に疑問が残る」とした地検の判断について「同種の事件で刑事責任が問えなくなる。開業医と他の病院に差があること自体が問題」と指摘した。【村上尊一】
(毎日新聞) - 10月19日13時46分更新

2012年5月1日火曜日

教育学術新聞 : 教育学術オンライン 第2250号|日本私立大学協会


平成18年10月 第2250号(10月18日)

会長に金澤一郎氏
  副会長に浅島、鈴村、土居の各氏

 日本学術会議では、去る十月二日から四日にかけて、第一四九回総会を開催し、黒川 清会長の定年退任に伴う新会長に、会員の互選により金澤一郎氏を選出した。新会長による新副会長には、浅島 誠氏、鈴村興太郎氏、土居範久氏が指名された。会長、副会長の略歴は次のとおり。